2012.02.29 野生に帰る
なにか不思議な変動を迎えてる気がする。

ここ最近は、オーバーダビングのような作業は一切ストップし、歌もギターもライブのように個々に録音しながら、歌とギターのアレンジそのものを磨き続けていたが、いくつかの曲はオーバーダビングでゴージャスに仕上げたものよりも、単なる弾き語りの方がいい感じになっている。

歌やギターの息づかいというか、生々しい肌触りというか、無骨なものがギリギリ輝く美しさみたいな方を突き詰めている。

余計なものがボロボロ剥がれ落ちていってるのか、必要なものも一緒に剥がれ落ちていってるのかはわからないが、今はひたすら意識と体の中で作業を行っている。

人間ドックに入って全身をチェックしていたら野生に帰っちゃったみたいな、建物の中に銅像作ってたら建物を突き破っちゃったみたいな、哲学書を読み終えたあとに小学校の教科書読んでるみたいな、アルバム創ってるつもりが自分がアルバムに創り替えられてたみたいな、そんな感じ。

だが、この方向性で間違いないという確信があるので、このまま突き進もうと思う。
ほぼ完成していて、わりと気に入っていた「ピカドンの朝に僕らが見たもの」だったが、先日ギターを爪弾いていたら新しいアイデアがどわっと湧いてきて、静謐な小品的だったものが、壮大な歌に生まれ変わった。

橋爪文さんの詩の朗読部分は、3つの音しか使わないという削ぎ落とされつくした歌となり、サビは以前の3倍の広がりを持つ雄大で力強いメロディーとなった。

歌が力強くなっていくにつれて、吐き出される感情も祈りも深まってゆく。

やはりテーマが大きいだけに、歌も壮大にならざるをえなかったということだろう。

しかし歌と演奏の難易度も3倍ぐらい増したので、修行あるのみ。
ほふく前進的だったレコーディング作業も、山歩きから山走りへと変化してゆくのと同期するように、徐々にスピードアップしてきた。

生演奏を繰り返し高い集中力で、しかも1人きりで録音し続けるのは、なかなか骨の折れる作業なのだが、「よっしゃ!もう一回!!」ってな気合いを入れられるようになってきたし、時折未だかつてない境地で演奏できる時間も出てきた。そういう時は、自分の内側から闘志が湧いてきてるのを感じる。「旅立ちピエロ」の歌詞「まだ変われるぜ 遅くない 怒りの火で焼き尽くせ 過去も未来も一切合切全部」的な、「下りてこねぇなら、こっちから出向いてやるぜ」的なテンションだ。

でも作業が終わったら、ぼけ~っとしている。まだ先は長い。

そして穏やかな島では、今もささやかなフィーバーは続いてるようだ。さて今日もがんばろーー!
まだ母島フィーバーは冷めやらぬようで、昨日は遊歩道の入り口に入ろうとしたら、団体さんらが一列になって30人ぐらいズルズルと出てきたので、森の入り口につっ立ったまま「あ、どーも」「こんにちわ」など、宿のボーイの出迎えのようにあいさつし続けることになった。

ここ最近の母島は日差しも強く、外歩いてるだけで汗ばんでくるようなポカポカ日和。

そんな中、軽くゆでダコみたいになりながら、一段とパワーアップするために毎日の日課を増やし、リハーサルを繰り返しながら、集中力を高めていってる。

これまでは気合いと執念だけでなんとかアルバム完成にこぎ着けることができたが、今までの2、3倍ぐらいの容量となる今作は、もっと粘り強くあらゆる手段で演奏レベルを上げてゆかなければ、中途半端なものになってしまうという直感をえたからだ。

まずは演奏者である自分を基礎からじわじわ鍛え上げ、解き放たれた自由な意識に新たなイメージが去来するのを待つ。

どうやら伸びしろだけは、まだまだたっぷり残ってるようだ。

今日静沢遊歩道を歩いていたら、全部で50人くらいの観光客とすれ違った。ハイシーズンでもないのに。
島内放送では、次の小笠原丸は満席みたいなことを言ってるし、密かに母島フィーバーでも起こってるのか?

腰痛も復活し、日々弾き語り修練を行いながら、アルバム制作をじりじり進めていってるが、ちょっと深く潜るのが早すぎた様で、何がなんだか解らなくなってきたので、急浮上するクジラのように海面から飛び出し、亀の様にぷっはあああ~と息をついてみたようなイメージ。あせりは禁物よ、だ。
この後に控えてる内地ミュージシャンたちとのコラボ前に燃え尽きてしまっては元も子もない。
だが続けなければ、腐ってしまうので、一日少しずつでも前進せねばいかん。

何曲かはほぼ完成の域に達していて、去年のバージョンとは比べ物にならないぐらい(聴き比べてみた)いい感じに仕上がってきてるが、もっともっと良くなる気がしている。
どうせ2年近くかかってるんだから、今出来ることを全て吐き出したい。
そのためには、試行錯誤し転んだり滑ったり頭かきむしりながら、さまざまな可能性を探り続けるしかない。母島フィーバーが起こってようとなかろうと。

だんだん調子が上がってきて、一段深い領域に突入した感がある。

より細部まで耳が届き、より俯瞰した目でアルバム全体を見渡せるようになってきたことで、これからやるべきことがより明確になり、より集中できるようになってきた。

しかしバイト中に軽くぎっくり腰になっちまった。。

転落事故以降、どうもぎっくり腰になりやすいので注意していたが、非力ゆえに腰に負担をかけてしまうのだろう。だが腕にはギター弾く以上の筋肉をつけたくないという妙なこだわりがあるので、やはり山道を歩いて足腰を鍛えカバーするしかない。

今日はいい天気で、小笠原丸が先日ドック明けしてからは、観光客らしき人々もちらほら歩いてる。さっき鮫ヶ先展望台への遊歩道を歩いていたら、脇浜で泳いでる人たちもいた。さすが観光客パワー。そして太平洋を臨めば、ザトウクジラが跳ねとる。

それにしても毎日クジラ見ながらレコーディングできるなんて、凄い環境だよな~